緑雨の玉子酒の句批判
○吾(わが)兄子(せこ=恋人とか夫)の来べき宵なり玉子酒 とは、金玉(きんぎょく)の十千萬堂(とちまんどう)氏が風流妄語(もうご)と題したる句の一つなり。艶なるものとて評判高かりしも、われはいさゝか服し難きものあり。もと玉子酒は調(ととの)へて待つ品ならず、必ず宵にと約したる男の更けて漸(ようよ)う来りしに、かゝる時よと女の急立(せきた)ちて鍋の下あふぐを…と、いった感じで、事前に準備するものではないと、風刺と皮肉の明治時代の作家・斎藤緑雨が「あられ酒」でいっています。句の本歌は衣通姫(そとおりひめ)の「わがせこが 来べき宵なり ささがにの 蜘蛛のおこなひ 今宵しるしも」です。
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